光陽精工株式会社 社長のブログ

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プラスチック射出成型の会社です 毎月1日に更新しています

有意義な無駄

相変わらずコロナウイルス関連の話題となってしまいますが、現在当社の所在地である東京都と埼玉県にはまん延防止等重点措置が適用されています。不要不急の外出自粛などが要請されましたが、今回はコロナウイルスとは別問題として不要不急について考えてみたいと思います。

 

そもそも不要不急の定義としては「どうしても必要というわけでもなく、急いでする必要もないこと」と解されるそうですが、この意味だけを踏まえて不要不急を考えると生活のほとんどのことが不要不急に私は感じてしまいます。明確な判断基準があるわけではないので個人差が出てしまいますが、そもそも人間には不要不急や非合理的なこと、つまり一見無駄と思えることがとても大事なのだとコロナ禍の約2年間でたくさんの人が実感したのではないでしょうか。私はせっかちで面倒くさがりなので仕事でも家事でも合理性を重要視しがちでしたが、コロナ禍では仕事を含めた人生において無駄がないということの味気無さを感じるとともに、無駄がもたらしていた豊かさや有意義なことが見えてきました。不要不急を考えさせられると合理性だけを突き詰めていることが虚しくなってしまいます。精神的に不安定になる方が多いのも本当によくわかります。コロナウイルスに対する恐怖だけではないはずです。不要不急の外出を控えた結果、仕事もリモートワーク、息抜きの外食もできない方が増えて人とのコミュニケーションが不足したりストレス発散の場がなくなって「コロナうつ」と言われるような症状の方が多くなったのでしょう。

コロナ禍でキャンプが流行っているそうですが、キャンプはまさしく不便を楽しむものではないでしょうか。そしてその不便の中から想像力で合理性、効率化を生み出すのであれば無駄や不便なくしては人生の豊かさは得られません。

心の余裕や人間のひらめきは無駄な時間から生まれて、私たちの本質は無駄の中にこそあるのだと思います。無駄と効率化、真逆のようですがどちらも必要な要素です。私もせっかちを反省して、有意義な無駄を意識して心の余裕を得たいと思います。そんな心の余裕があればコロナにも負けない強い心になるのだと思います。