光陽精工株式会社 社長のブログ

光陽精工株式会社 女社長のブログ

プラスチック射出成型の会社です 毎月1日に更新しています

プラスチックとSDGs

先日、仕事とは関係のない何気ない会話でプラスチックはSDGsに反しているという意見をいただきました。主婦の方だったのでエコバックやストローなど生活の中でできるCO2削減を考えていて意識の高い方なのだと思います。ただ私たちのようにプラスチックに係る仕事をしている会社はカーボンニュートラルを目指し、むしろパリ協定以前から問題意識を持っていたのです。もちろん環境問題を考えてのことなのですが、これからの時代はそこを意識しなければ生き残っていけないという危機感もありました。

海洋プラスチックでウミガメの体が傷ついている映像を見ると本当に心が痛みます。プラスチックごみが地球に悪影響を及ぼしていることは承知していますし、限られた資源だという認識もあります。私たちが個人でできることと言えば確かに身の回りのプラスチックを排除することなのかもしれません。子供たちがプラスチックごみについて勉強することもとても良いことだと思っています。ただせっかく勉強するのであれば、やはりそれぞれの立場のことも知らないといけないと思いますし、根本的な解決策を考えることができないと思います。

 

プラスチック業界では随分前からバイオマスプラスチックの研究が進められていました。実際に実験に参加した企業のお話しも聞いたことがありますが、20年以上前から既に町工場レベルの中小企業での実験的な成形もしていたようです。その成果はバイオマス樹脂として今では販売もされています。当社のような小さな会社でもISO14001を取得し、化学物質含有調査依頼に対応していますし、成形した際に生じるランナーを粉砕してリサイクル、残った廃プラスチックもマニフェスト制度に基づいて適正に管理しています。そしてカネパッケージ株式会社様のご協力をいただき、プラシェルという卵の殻(産業廃棄物)を樹脂に配合することでプラスチックを60%削減した新素材を使用させていただいています。たくさん課題のあるプラスチック業界だからこそ改善できることはたくさんあります。私は主婦の立場ではゴミの分別くらいはしています。ポイ捨てはもちろん絶対にしません。しかし消費者の立場でのワンウェイプラスチック(一度だけ使われて廃棄されるプラスチック製品)の削減、企業として取り組んでいる上記のような内容は関係企業や協力してくれる人などによって出来ていることです。それぞれの立場で出来ることは限られるので自分の役割をしっかりと果たすことが大事なのだと思います。今の技術や資源ですべてのプラスチックを世の中から排除することは不可能です。当社は埼玉県と東村山市SDGsパートナー認定を受けていますが、企業としての責任を果たすべく一層努力してまいりたいと思います。