光陽精工株式会社 社長のブログ

光陽精工株式会社 女社長のブログ

プラスチック射出成型の会社です 毎月1日に更新しています

経営理念

この度、光陽精工では会社案内を新たに作りました。そこで経営理念を1ページ目に大きく載せました。

 

挑戦  ~変化を恐れず、常に新しい価値観を創造する~

 

文字にすると大げさになってしまいますが、奇抜な新しい価値観をゼロから創り上げることでなくてもいいのです。既にある価値観を少し変化させることも新しい価値観です。

41年間で凝り固まった社内の常識を覆す人が出てきてくれることを、私自身も恐れずに楽しみにしたいと考えています。もちろん自分でも新しい情報を仕入れて、変化や挑戦を提案していけたらと思います。

改革には加工された情報ではなく、生の情報が絶対に必要と言われます。そこを意識して、正しい方向へ導けるような生きた情報を社内に提供できるよう努力したいと思います。

 

変化を恐れないためには、今まで築き上げたものや、周りに影響を受けているものを常識ととらえないことが前提となります。これはとても難しく、なにより面倒です。

それから新しい価値観を創造するには、コロナ禍で変わった製造業や世の中をそれぞれがしっかり見極めることが大切だと思います。

これらはあくまでも前提ですが、この前提がなければ新しい価値観は創造できません。歳をとると新しいことへの挑戦や変化が億劫になりますが、私が先頭に立って取り組まなければ変わることはないと肝に銘じています。

 

今日から新年度となります。気持ちを新たに取り組んで、従業員とともに会社も日々成長していけたらと思います。

 

オーディオブック

先日、オトバンクというオーディオブックの創業者の上田渉さんの講演を聴く機会がありました。

元々、オーディオブックにはまったく興味がなかったので、ほとんど知識がない状態で行きました。何故興味がなかったのかというと、私は読書が大好きだったからです。

過去形なのは、現在はほとんど読書をしていないからです。幼稚園から小学生までが読書好きのピークだったように感じます。中学生になり部活等で忙しくなると読書の時間を作ることが難しくなってきました。それでも高校時代は本好きの友人が周りに多かったり、母親が司書だったため本が身近な存在ではありました。

再び読書が趣味になったのは社会人になって電車通勤をするようになってからです。通勤時間のうち電車に乗っている時間だけで1時間近くあったので毎日読むことができました。当時は、小説、エッセイ、漫画、雑誌…あらゆる本を買いあさっていました。読書は私の最も簡単なリフレッシュだったと思います。

その後、携帯が普及したり本屋が減ったりしたため、なんとなく読書から遠ざかってしまいました。それでも自分は読書好きだと思い込んでいました。

ところが、最近は活字が頭に入ってこなくなり、読書を途中で投げ出すことが多くなりました。読書の快感を知っているからこそ読書がしたいのに出来ないことはとても悲しかったので、老眼鏡をかけて挑戦しましたがダメでした。眼ではなく脳の老化なのでしょうか。

 

上田さんの話によると、「活字の情報」と「音で得る情報」では音の情報が頭に入りやすい人の方が多いそうです。

元読書好きの私は目から鱗でした。昔は勉強も何でも書いて覚えるということが割と主流だったと思いますが、本当に理解できていたのかは不明です。有効なのは英単語のような暗記もので、結局理解は出来ていなかった気もします。ということは、私ももしかしたら耳から派なのではないか…と思い、オーディオブックに登録してみました。登録してからまだ日が浅いので何とも言えませんが、ながら聴きができるので最後まで聴くことはできましたし、ある程度は頭に残っていました。きちんと聴けば頭に入るのは私も音なのかもしれません。

ただ、読書好きだったころの読書から得られる快感はなかったです。例えばビジネス書や勉強などで読む必要があるならばオーディオブックが良いのかもしれませんが、リフレッシュするためにオーディオブックを聴こうという気にはなれませんでした。

近年の私の読書苦手意識が解消されるかと思いましたが、私の個人的な結論は読書とオーディオブックは別物でした。しかし、別物だからこそオーディオブックの使い道があるのだと思います。ストレス社会に読書でストレス解消、合理性を求める時代にオーディオブックのながら勉強。両方とも確実に需要はあると納得しました。

 

製造業の希望の星

あっという間に2月になってしまいましたが、今年の目標のひとつとして「もっと外に出る」ということを掲げていました。1月、2月は賀詞交歓会などの会合が多いため意識せずとも外に出る機会が多くなります。初めて参加した会では新たな出会いもあり、とても刺激をもらうことができました。やはり新聞やテレビだけではなく、現場の生の声を聴く(情報交換)というのはとても大事だと思います。製造業だけではないと思いますが、日々状況も変化し様々な問題が起こっています。全体的な一般論ではなく、それぞれの問題や意見を聞くことができるので気づきもたくさんあります。

 

某賀詞交歓会のゲストが高校生の法人グループでした。高校生がロボットの大会で世界一を目指すために自分たちで立ち上げた一般社団法人です。「ZENSHIN Robotics」といいます。既に昨年、JAXAが主催する国際大会に日本代表に選ばれたそうです。元々グローバルな学校らしく、外国人の生徒も何名か混ざっていましたが、世界を目指すために自分たちで会社を起こすなど私の高校時代にはまったく考えられませんでした。もしかしたら志の高い優秀な高校生として存在していたのかもしれませんが、少なくとも私は聞いたことも会ったこともありませんでした。

行動を起こしやすい時代になったことを加味しても高校生で目標を達成するために自分たちでお金を集めてさらに目標に向かって努力するということは大変優秀な生徒の集まりだと思います。当時の私のまわりで社会貢献を真剣に考えている10代など皆無だったと思いますが、彼らは法人なのできちんと社会貢献にもふれていました。

そんな彼らが将来ものづくりの世界に来てくれることは希望でしかありません。さすがに大企業や起業を目指しているのだとは思いますが、製造業は人手不足も深刻で環境問題など問題が山積みです。彼らのような有能な若者が製造業にくることは製造業全体の底上げにもなり本当に心強いです。コロナ禍以降は特に良い話がまったくない製造業の集まりでしたが、ワクワクするような希望を久々に実感できて、とても嬉しく思いました。

新年のご挨拶

新年、明けましておめでとうございます。

平素はご愛顧を賜り、熱く御礼申し上げます。

 

旧年中は多大なるご協力をいただき、誠にありがとうございます。

2024年も、より一層のご支援、お引立てを賜りますようお願い申し上げます。

 

本年もよろしくお願い申し上げます。

 

光陽精工株式会社 代表取締役 新井啓子

ジャネーの法則

おじさん、おばさんの年末の常套句ですが、12月になり「一年があっという間だった」と今年もつくづく感じます。一年が早く感じることを「ジャネーの法則」というそうです。これは人生のある時期に感じる時間の長さは年齢の逆数に比例するということだそうで、歳をとると自分の人生の中の1年の比率が小さくなるために体感として1年が短く感じるということです。5歳の子供は1年が人生の1/5ですし、60歳の大人は同じ1年でも人生の1/60と考えると納得できます。

そうすると、人生の折り返し点というのも実際の折り返し年齢と、体感の折り返し点が違ってくるはずです。調べてみると20歳で主観的な人生の時間の半分を終えていることになるそうです。予想よりだいぶ若かったので驚きましたが、実際に20歳までの20年とその後の40歳までの20年の違いを考えると十分納得ができました。

40歳から10年も経ってしまった私の残りの人生はきっとあっという間なのだろうと思います。やりたいことを達成する時間はあるのだろうか。考えると1秒たりとも無駄にできないと恐怖さえ覚えます。

それでも時間は過ぎて行ってしまいます。せめて毎年年末には一年の手ごたえを感じられるように、好奇心や向上心を持ち続けて、目標に向かって実りのある一年を送りたいと思います。

情報収集の重要性

今年度は同業他社様を訪問させていただく機会がとても多く、とても勉強になっています。

コロナ禍以降、材料高騰や半導体不足なども重なり製造業は他業種に景気回復の後れをとっているように感じます。またすべての会社で課題となっていたのが人材不足でした。少子高齢化が加速しているので仕方のない事ですが、私が訪問させていただいた企業はほとんどが東北地方だったので東京と比べると顕著で深刻な問題でした。ただその分当社と比較すると自動化が進んでいることがとても印象的でした。

ここでも何度も言っているとおり、製造業は取り巻く環境が激変し、変革は必須な状況です。それぞれの会社が苦しんでおられ、今後の方向性を模索しているように感じました。従来のやり方を続けていては一生懸命したところで周りについていけません。そうなると情報収集がとても重要になります。

鮮度の高い情報を集めるにはやはり今までとは違った様々なコミュニティに所属し、必要な情報を得るための努力をしなければなりません。また、集めるだけでなく活かさなければ意味がないので情報を正しく取捨選択して社内に展開するようアウトプットすることが私のやるべき仕事だと考えています。訪問させていただいたときにそれぞれの会社の方が今後の展望や様々な情報などをスラスラと話している様子から皆様の努力が感じられ、とても刺激を受けましたし、情報収集の方法を教えていただくこともありました。

従業員のため、会社のため、製造業のために私も日々努力を続け、情報収集力を高めていきたいと思います。

ラジオ収録

ご縁があって、ラジオ日本の埼玉彩響のおもてなしという番組に出演してきました。偶然にもパーソナリティの久礼様は私と同じ高校の2学年上の方で当時の話にもなったのですが、あまりにも昔のことで中々共通点が見つけられず…。というのも私の通っていた高校はスポーツ推薦があったので野球部のエースだった久礼様はもちろんスポーツクラスで、私は一般クラスだったので接点がほとんどなかったのです。ただ、野球の強い学校でエースとなればとても有名人だったのでこちらが一方的に名前は知っていました。

内容ですが、全てが反省といっていいほど何もできませんでした。言いたいことが言えずに余計なことだけ話していたような感覚です。緊張してあまり覚えていないのですが、想定していなかった質問が来ると答えに詰まることが何度もありましたし、舞い上がってしまい話している途中で何を言おうとしたのか忘れてしまうなんてことも何度かありました。

とにかくまるっきり駄目で、つくづく人前で話すことが苦手なのだと再認識しました。どうしても構えてしまい、考えすぎて話がわかりづらくなってしまいます。ラジオならば顔が出ないから大丈夫かと思っていましたが、とんでもなかったです。

パーソナリティの方もアシスタントの方もとても優しく、話しやすい雰囲気を作ってくださっていたのに、申し訳なかったという反省とあまりの不出来の恥ずかしさで最後の写真撮影は涙目だったかもしれません。

ただ、質問を受けたことで自分自身の中では色々確認できたことも多くありました。特に上手く回答できなかった「どうして先代は私を次期社長に選んだのか」という質問では初めて父の立場になって考えてみました。最近は一族経営が問題視されていますし、子供だからといって継がない人はたくさんいます。収録後もずっと考えてしまいました。会社に対する愛情や責任もあった中で、経営の知識がゼロだった私を選んでくれたのはどういった思いがあったのか。もちろん父や創業者である叔父の世代は世襲制度が根強く残っていると思いますし、私も同じ思いでした。しかし社長になってみると確かに身内だからという理由だけでは選ばないと気付きました。昭和の頑固親父だった父からはほとんど褒められたことはありませんでしたが、もしかしたら私に何か期待をしていたのかもしれません。そう考えると改めて身が引き締まる思いがしました。

失敗と反省のラジオ収録で、恥ずかしさと後悔ばかりが心に残っていますが、人間は失敗を繰り返して成長していくのだと信じたいです。

組織の変革 ~目標に向かって~

コロナ禍以降、私は経営において変革という言葉を常に意識しています。ただ、組織の変化というのは一歩間違えるとモチベーションの低下や人材の流出にもなりかねません。自身の意識改革から始め、独り善がりにならないよう従業員に伝えるにはどうすればよいのか模索していました。

ところが先日入間工場にて私の中で伝えるべきか決心がつかないまま期日つきである提案をしてみたところ、全員一丸となって取り組んでくれました。目的がはっきりしていたので伝わりやすく、また最終目標もはっきりと全員が認識していましたので、全員で同じ目標に向かって各々ができることを自発的に取り組んでくれたのです。その取り組みは外部からも明確に見えたようで、出入りの業者などから何度かお褒めの言葉を直接いただきました。現在目的は果たしたものの最終目標は達成していません。しかし従業員のモチベーションは目標に向かって維持されているようです。行動を起こしてくれた従業員のためにも会社として目標を達成しなければとこちらの身が引き締まる思いです。

 

変革や改革などと大げさな言葉を使うと構えてしまいますし、抽象的で何をしてよいのかわからないというのは私も同じなのに、伝える側になると突然わからなくなってしまっていました。しかし私がやりたいことを具体的に伝えれば従業員はこんなにも一生懸命動いてくれるのだと感動しました。伝え方が独り善がりにならないようにと気を付けていましたが、そもそも考え方が独り善がりだったのかもしれません。

 

大切なのは信頼関係、明確な目的。この積み重ねで大きな改革は可能だという確信が持てました。皆で変革を機会と捉え、新たなビジネスモデルを構築することは大変なことですが、とてもやりがいのあることだと今回の入間工場の事例で感じました。つまり会社の変革は大きな努力を要するけれども、成功すれば会社のためにもなりつつ係った人の人生を豊かにすることにもつながるのだと思い至りました。