先日、お客様を訪問する機会がありました。
お客様は大企業ということもあり、私と同年代の方々からは「役職定年を迎えました」、少し先輩方からは「来年定年なんです」といったお話を伺い、自然と定年後の過ごし方が話題になりました。
以前であれば、定年は仕事人生の終わりという印象がありました。しかし今は、定年後も働き続ける人、趣味に打ち込む人、地域活動に参加する人など、それぞれが新しい人生を歩み始めています。
皆さんに共通していたのは「仕事から離れたい」という考えではありませんでした。「これまで培ってきた経験や知識を活かして、もう少し社会に貢献したい」「若い世代の力になれる仕事があれば続けたい」そんな前向きな言葉が印象に残りました。
確かに、長年積み重ねてきた経験は、その人だけの財産です。それを定年とともに終わらせてしまうのではなく、次の世代へつないでいく。これは本人にとっても、社会にとっても大きな価値があるのではないでしょうか。
人生100年時代と言われる今、第二の人生とは「仕事を終えること」ではなく「経験という財産を社会に還元する時間」なのかもしれません。
AIが発達し、技術が進歩する時代だからこそ、人が積み重ねてきた経験の価値はますます大きくなるのではないでしょうか。経験は本やマニュアルだけでは受け継げません。人から人へ伝えられることで、初めて生きた知恵になります。
会社も同じです。技術や設備だけでは本当の競争力にはなりません。長年培われた経験や知恵が人から人へ受け継がれることで、会社は成長し、より強くなっていきます。
転職という選択が当たり前になった時代だからこそ、「どこで働くか」だけではなく、「何を積み重ね、どんな経験を残していくか」という視点も大切になってくるのではないでしょうか。仕事を通じて得られる本当の経験は、短時間では身につかないものがあります。失敗を乗り越え、お客様との信頼関係を築き、仲間と困難を乗り越える。その積み重ねがやがてその人にしかない財産になります。
私自身も、一つひとつの経験を大切に積み重ねながら、その経験を次の世代へ伝えていける存在でありたいと思います。そして、光陽精工も一人ひとりの経験が会社の力となり、それが未来へ受け継がれていく、そんな会社であり続けたいと考えています。