光陽精工株式会社 社長のブログ

光陽精工株式会社 女社長のブログ

プラスチック射出成型の会社です 毎月1日に更新しています

2022年の最後に思うこと

年を取るごとに一年が早く感じるようになります。相変わらずコロナ禍だった2022年はどのような一年を過ごしたでしょうか。

 

先代が、一年の目標に「変」を掲げた年がありましたが、コロナ禍になり、「変」というのは目標ではなく必須となったのではないでしょうか。仕事に限らず子供の学校生活や進学、休日の遊びや老後のシステム等…、コロナ禍の3年で変化していないことを探すことが大変です。私が新入社員の頃もWindows95が出たころで、ちょうどパソコンとメールアドレスが全社員に支給されたばかりでした。思い出してみれば、それまでパソコンを使用していなかった今の私くらいの年代の方々の中には苦戦している方も多かったように感じます。時代は繰り返すもので、いつの時代も新しい常識は生まれているはずなのですが、若者は受け入れるキャパがあります。経験を積めば積むほど新しい常識を受け入れることが難しくなります。コロナ禍では一気に様々な常識が変わったので私たちの年代には相当負担がかかりますが、変化を恐れずに自分自身が積極的に変化したいと思います。

2022年はそんなことを考えてはいましたが、2023年からは実行に移したい計画もいくつかあります。少なくとも行動は起こしていきたいと考えています。

 

そろそろコロナのせいにはできない時期に差し掛かってきました。光陽精工も大きく飛躍できるように先代の言っていた「変」を念頭に置き、コロナのさらに先を見据えて変化し続けていきたいと思います。

入間万燈まつり

10月22日(土)に入間工場のある埼玉県入間市で万燈まつりが行われました。当社もバイオマス樹脂で作ったペットボトルオープナーを販売し、参加してきました。

本社のある東村山市では毎年11月に行われる市民産業まつりに関して7月に実行委員会が行われ、開催の中止を決定しました。隣接する西東京市東久留米市清瀬市などもお祭りの中止が決定された後でした。多数決は本当に少しの差でしたが、当時は新型コロナウイルス感染症の第七波で感染者数がどんどん拡大している最中だったので実行委員はそれぞれとても悩んで投票しました。ちなみに同じく東村山市で9月に行われたどんこい祭は開催されました。私の地元の埼玉県狭山市川越市のお祭りも開催されました。規模が大きければその分準備期間も長くなりますし、何カ月も前に開催を決定することはとても難しいです。しかも開催が正しかったのかは終了した後でも結論が出るわけではありません。ただ、開催も中止も実行委員が真剣に考えた結果ですので、そこはご理解のほどよろしくお願いいたします。

個人的には多数決で「開催」に投票しましたが、もちろん中止に投票した方々の考えもよくわかりますし異論はありません。入間市東村山市が対照的だったので比較してしまいましたが、もちろんどちらが正しいというわけではありません。

 

今年の万燈まつりの開催形態の一つに来場者は新型コロナウイルス接触確認アプリのCOCOAをインストールしなければならないとありましたが、厚生労働省が停止の発表をしたためこれは廃止となりました。しかし例年は2日間のところ1日のみとし、交通規制をかける会場の縮小、飲食店の出店はなしといった変更はありました。このような条件のもとでは来場者も少ないだろうと予想していましたが、予想に反して多くの方が来場して物販も予想をはるかに超える売れ行きとなりました。厳しい状況下でも皆さん懸命に準備をして、私たち工業部会もリモート打ち合わせをして例年どおりミニSLを走らせ、弊社も奥井組様と一緒にブースにて物販販売を行いました。コロナの感染拡大という懸念はあるもののやはり地域の活性化というのはとても大事なことで、地域のお祭りはとても有効だと改めて感じました。

入間市の市長は若くエネルギッシュな方で、私はお会いする度に変革型リーダーという印象を受けます。物腰の柔らかい方なのに革新的で、時代に合ったリーダーという印象です。リーダーというのは常に賛否両論が分かれますが、私は目標としているリーダーの一人です。例年とは違ったからこそリーダーシップが発揮されたのか、皆揃って予想を上回る来場者数だったとおっしゃっていました。開催と中止でどちらが正解だったかということではなく、万燈まつりは開催して良かったと強く感じました。例年より規制が多い中のお祭りということで関係者、来場者それぞれがコロナに対して気持ちを引き締めなおすと同時に、久々にお祭りの賑わいを楽しめました。暗く長いコロナ禍において希望がもてるような素晴らしいお祭りだったと思います。

プラスチックとSDGs

先日、仕事とは関係のない何気ない会話でプラスチックはSDGsに反しているという意見をいただきました。主婦の方だったのでエコバックやストローなど生活の中でできるCO2削減を考えていて意識の高い方なのだと思います。ただ私たちのようにプラスチックに係る仕事をしている会社はカーボンニュートラルを目指し、むしろパリ協定以前から問題意識を持っていたのです。もちろん環境問題を考えてのことなのですが、これからの時代はそこを意識しなければ生き残っていけないという危機感もありました。

海洋プラスチックでウミガメの体が傷ついている映像を見ると本当に心が痛みます。プラスチックごみが地球に悪影響を及ぼしていることは承知していますし、限られた資源だという認識もあります。私たちが個人でできることと言えば確かに身の回りのプラスチックを排除することなのかもしれません。子供たちがプラスチックごみについて勉強することもとても良いことだと思っています。ただせっかく勉強するのであれば、やはりそれぞれの立場のことも知らないといけないと思いますし、根本的な解決策を考えることができないと思います。

 

プラスチック業界では随分前からバイオマスプラスチックの研究が進められていました。実際に実験に参加した企業のお話しも聞いたことがありますが、20年以上前から既に町工場レベルの中小企業での実験的な成形もしていたようです。その成果はバイオマス樹脂として今では販売もされています。当社のような小さな会社でもISO14001を取得し、化学物質含有調査依頼に対応していますし、成形した際に生じるランナーを粉砕してリサイクル、残った廃プラスチックもマニフェスト制度に基づいて適正に管理しています。そしてカネパッケージ株式会社様のご協力をいただき、プラシェルという卵の殻(産業廃棄物)を樹脂に配合することでプラスチックを60%削減した新素材を使用させていただいています。たくさん課題のあるプラスチック業界だからこそ改善できることはたくさんあります。私は主婦の立場ではゴミの分別くらいはしています。ポイ捨てはもちろん絶対にしません。しかし消費者の立場でのワンウェイプラスチック(一度だけ使われて廃棄されるプラスチック製品)の削減、企業として取り組んでいる上記のような内容は関係企業や協力してくれる人などによって出来ていることです。それぞれの立場で出来ることは限られるので自分の役割をしっかりと果たすことが大事なのだと思います。今の技術や資源ですべてのプラスチックを世の中から排除することは不可能です。当社は埼玉県と東村山市SDGsパートナー認定を受けていますが、企業としての責任を果たすべく一層努力してまいりたいと思います。

新型コロナウィルスに感染しました

毎月1日にブログを更新していましたが、今月は遅れてしまいました。と言うのも私が新型コロナウィルスに感染して自宅療養をしていたからです。

コロナ禍3年目で第7波の最中でも自分は大丈夫だという慢心があったのは否めません。感染経路にまったく心当たりがないというのも油断していた証なのだと思います。感染したことはショックでしたが、せっかくなのでこの体験をブログにしたいと思います。

 

 

私は喘息の持病があり、アレルギー体質なので風邪でもないのに咳がとまらないことがよくあります。今回も少し咳が出ていたのですが熱がなかったので出社してしまいました。2~3日後に夫も喉が痛いと言い出したので、慌ててその日の10時にPCRセンターの予約を取りました。そして夕方に2人とも陽性の結果が出ました。

最初に咳が出た時点で自宅用の検査キットで調べたところ陰性でしたが、喘息やアレルギーならば夫にうつることはありません。この判断の甘さは本当に反省しましたが、幸いにも社内で私より後に感染した人はいませんでした。

 

陽性になると保健所から電話が来るとのことでしたが混雑しているのか電話が来たのは翌日でした。しかも私は喘息の持病有りと記入していたため電話をくれたようですが、夫には電話も来ませんでした。ただ2人とも「新型コロナ健康状態入力フォーム」に毎日健康状態を送っていたので、そこで夫の健康状態も確認はしてくれていたようです。

私がラッキーだったのは2人暮らしで2人とも同時に感染したので家の中での隔離はなかったことです。これは感染しなかった家族がいた友人に比べると本当に楽だったと思います。

感染が判明する前日に買い出しに行っていたので食料は足りていましたが、友人がレトルト食品などを玄関の前に差し入れしてくれたので最後まで乗り切れました。行政に頼む方法もあるらしいのですが、混雑時だと自宅療養期間が終わってから届くことがあると聞いていたので頼みませんでした。

 

自宅療養2日目にかかってきた保健所からの電話で血中酸素濃度を測る「パルスオキシメーター」が必要か聞かれたのですが、少しの咳と37度程度の微熱だけだったので断りました。2人とも熱は37度前後が4日程度続いて咳もありましたが、軽症と言っていいレベルだったと思います。ただ怠さから1日中寝て過ごしていました。自宅療養3日目に保健所の手違いだったのかパルスオキシメーターが送られてきたので測定してみると95%以上が正常値のところ私は90%でした。かなり低いとのことで入力後すぐに電話がかかってきて確認してくださったのですが苦しくなかったので経過観察となりました。

中には酸素濃度が低い人がいるそうです。特に私は喘息なので元々低い可能性もあると言われましたが、少しでも苦しかったらすぐに電話くださいと念を押されました。次の日くらいまで95%以下は続きましたが、最終日までには97%まで回復していました。

 

自宅療養後期は元気だったため、シーツや枕カバーなど寝具を何度か洗濯して床を高温スチーマーで掃除してトイレの壁も除菌しました。

自宅療養最終日まで行政からの電話は毎日ありました。電話は保健所ではなく県の自宅療養者支援センターからでした。夫にはSMSで通知が来ていたようです。PCRセンターの方々から始まり、保健所、自宅療養者支援センター、そして家族や友人と色々な方にお世話になり、励まされた療養期間でした。

 

私は昨日から出社していますが、体力が落ちたのかとても疲れます。咳も少し残っています。世界中でこれだけの感染者が出ましたが未知のウィルスには変わりありません。これからどのような後遺症が出るかも不安です。

新型コロナの感染拡大はまだ終息していません。感染した人の一日も早い回復を祈るとともにこんなブログでも誰かの参考になることがあればと思います。

アメトーーク「町工場芸人」を見て感動した話

先日のアメトーークのテーマは町工場芸人でした。町工場で働いたことのある芸人さんたちがそれぞれの仕事の説明をしながら「町工場あるある」などのトークを繰り広げていました。

私が最も興味深かったのは、それぞれの芸人さんたちが働いていた職場の匠の技術を紹介するコーナーでした。マシニング加工や綺麗に配線する技術など、その仕事に携わっていなければ知らないようなマニアックな技術でしたが、正しく職人技でした。

町工場の仕事はとても地道な仕事が多いです。しかし地道に経験を重ねて極めることができれば、どんな仕事でも「匠の技」になります。

光陽精工にも匠の技を持った従業員はたくさんいます。もちろんパート従業員も含めてです。私は断言できますが、本人たちがどのように思っているかはわかりません。アメトーークで紹介された匠の方々も毎日の作業で習得した技術が匠の技と言われるとは、ご自身では意識していなかったかもしれません。ただ、番組に出演されていた町工場芸人ではない方からも「格好いい」という声が出ていました。

この一見地味に見えてしまい、内部にいると見落としがちな素晴らしい技術を紹介してくれた番組に感動し、胸が熱くなりました。

 

情報が溢れる現代でアピールする場も増えて、上手くその波に乗れた器用な方々はそれだけで素晴らしい才能だと思いますが、個人で出来る方は中々いないと思います。町工場の技術や日本の製造業における存在価値をアピールするのはやはり企業の役割だと番組を見て改めて思いました。トーク力のある芸人さんがテレビで町工場の良さをアピールしてくださると説得力もありますし、何より影響力があります。とてもありがたい事ですし、とても刺激になり気持ちが奮い立つ思いがしました。

弊社の場合はどちらかというと大量生産型なので生産が海外に移りがちで一般的な匠の技と言われる感じではありませんが、まだまだ海外には負けない品質だと自負がありますし、弊社ならではの匠の技はしっかりと存在します。番組のように企業も町工場の魅力をアピールし、日本の技術を守りつつIoTやAIの導入も積極的に行えば、衰退の一途をたどっているように見える日本の製造業も生き残ることができるはずです。昔のような世界に誇る日本の伝統的なものづくりではなくても良いと私は思っています。日本の製造業における町工場の存在価値というのはかなり高いですし、日本の経済にも大きな役割を持っています。町工場を守るのは企業の役目です(本来ならば中小企業を守ることに関しては政治も大きく関わっているはずなのですが…)。従業員が安心して働けるような経営をし、なにより誇りをもって働けるような環境づくりが大事だと痛感しました。

若い世代にも興味を持ってもらえるような魅力的な町工場が増えることを切に願います。

ストレスとの上手な付き合い方②

前回の続きとなります。6月10日のストレスとの上手な付き合い方の講演を聞いた感想ということでしたが、結論から申し上げますと私の意見の変化はあまりありませんでした。

逆に言うと、わかっているのに出来ていないということを痛感しました。

講演ではストレスを感じる仕組みなどを説明され、ストレスの軽減法や対処法を教えていただきました。ストレスを感じる脳の仕組みなどは医学的根拠があるものの、対処法は人それぞれです。

 

ストレスがこれだけ問題視されている社会で、本当にうつ病などで苦しんでいる方々への会社や行政からの救済は早急に必要だと感じますが、自身の努力で何とかなる方々のうつ病も増えてしまっている気がします。メディアで取り上げることは注意喚起にもなりますし良いことだとは思いつつ簡単に引っ張られてしまう方がいるもの事実としてあります。

立場上、従業員のストレス問題などは常に考えているつもりでした。私自身も運動したり友人と会ったりとストレスを溜めない努力もしています。現代社会に限らず、昔から生きている限りストレスはあったのだと思います。むしろ現代は学校も会社も選択肢が増え、転職や転校も昔に比べて偏見もありません。ストレスを回避する(環境を変える)方法は手軽になっています。

ただ、環境を変えることはストレスが大きな方には必要ですが、日々のストレスは自身で対応していかなければなりません。規則正しい生活、バランスのとれた食事、運動、友人との会食…。これらは一般的にあげられる心の健康法ですが、子育てや仕事で忙しくなると中々難しいかもしれません。講義では心の健康の大切さをと基本的なセルフケアを教えていただきましたが、私はやはりそれぞれが自分に合うストレス解消法を見つけて行動を起こすことが大切だと思います。

私は大人になってからですが、学ぶということが気分転換になることに気づきました。学ぶといっても私は勉強や試験は嫌いです。例えば、今はYoutubeで英会話をわかりやすく教えてくれる動画がとても楽しいです。学生時代は英語が一番嫌いでしたが、その動画は勉強の要素はあまり感じさせずに私が学生の頃に理解できなかったことを簡単に教えてくれます。英会話を例にすると勉強のように聞こえてしまうかもしれませんが、要は楽しく新しい事を知るということが脳のリフレッシュになっている気がします。前にブログの題材にした読書のススメで書いた読書によるストレス解消はこれに当てはまると思います。

巷ではストレスに対して色々マイナスな情報もあり、恐怖を感じている方もいるかもしれません。色々な情報がありますが、ストレス解消法は人それぞれです。ストレスが溜まらない生活を意識して、無理をせずに自分なりの「いい塩梅」で行動にうつすことが大事なのだと思います。

ストレスというのはマイナス思考の時に特に感じやすいものだと思いますが、前向きな気持ちを心掛け、ONとOFFの切り替えを大切にするというのが私の結論です。結局ありきたりなことですが、ストレスについて考えすぎて自分に負荷をかけるようなストレス解消法を行い、窮屈に感じてしまっては本末転倒です。私はこのタイプだと思うのでいい塩梅を心掛けたいと思います。「健康な身体には健康な精神」です。できる範囲で無理なく楽しく、心と身体の健康を手に入れましょう。

ストレスとの上手な付き合い方①

6月10日(金)18時より東村山商工会館にてセミナーが行われます。

講演内容はストレスとの上手な付き合い方とセルフケアということで、私も受講いたします。今回はまだ受講していない段階での私の意見を書き留めておきます。来月、受講後の意見との違いを検証してみたいと思います。

 

うつ病などの心の病が重要視される社会になりました。私が若い頃も20代の女性社員(20名程度)の中で4~5名は急行電車に乗れずに各駅停車で通勤していましたが、4分の1というのは相当な確率だと思います。理由はそれぞれで動悸、不安感、トイレなど様々でしたが、病院に行くまでもないというのが当時の考えでしたし、今ほど通院のために休むことに寛大ではない社内環境でした。幸い当時電車に乗れずに困っていた女性たちはそれ以上悪化することはなく、自身が困ったという程度(若い女性にとって朝早くに家を出るということは大変だったとは思いますが)で済んだのですが、はたして何も対処せずに我慢して気合で乗り越えた彼女たちの選択は間違っていたのでしょうか。彼女たちは同じ悩みを持つ仲間がいたことで気が楽になったのか、ストレスで吹き出物ができてしまったというようなことと同等な出来事として捉えていたようで、結果としてストレスと上手に付き合っていたのかもしれません。

私たち世代は苦しみの先に成功だったり幸せが待っていると考えがちで、我慢が美徳になっていたりします。ストレスと上手に付き合うというより我慢してきた世代です。しかしストレスを緩和したいという気持ちは昔も今も同じで、上手に付き合う方法がありセルフケアができるのであれば是非勉強したいと思っているはずです。

このような言い方をすると嫌な経営者だと思われるかもしれませんが、会社としては個々のストレスによって生産性が落ちては困ります。しかし「生産性を上げるための企業努力が社員のためになる」私はこれが社員と会社のウィンウィンな関係のループになると信じています。もちろん社員に無理難題を押し付けることではなく、この場合の企業努力は可能な限り社員のストレスを軽減することです。

 

ストレスは目に見えず、ストレスの受け取り方も個人によって異なります。生きている限りストレスがなくなることなんてないはずなので、「上手な付き合い方」に委ねるしかないと私は思っています。

今の私が考える私なりのストレス解消方法は、結局運動と睡眠です。運動については勿論体を動かすということでは通勤時の徒歩や自転車もカロリーは消費しますが、私の経験では目的のある運動の方がストレス解消になりました。上手になりたいとか痩せたいとか目標があると達成が出来なくても過程の気合が違うのか、ストレス解消としては良かった気がします。睡眠についてはストレス解消になったという自覚はあまりないのですが、寝不足だとイライラしてマイナス思考になる気がします。

それから私は自分の考えが相手に伝わらないことがストレスになります。悪い言い方をすると「私のことをわかってくれない」ということです。社長は孤独だとよく聞きますが、私の中で一番ストレスになる「わかってくれない」は社長としての意思決定や責任とは関係なく、私の我儘や語彙力といった伝える能力の不足によるものです。これを人のせいにすればするほどストレスは溜まり、自分のせいだと反省したときの方がストレスは軽減されます。

 

要はすべて自分の気持ち次第なので、ストレスの解消法も「気持ちの持ちようをどこに持っていくか」ということなのだと思います。それが難しいのですが、結論は6月10日の講演で見つけてきたいと思います。

吉野家常務の発言を女性目線で考えてみた

吉野家の常務の発言が大炎上しました。発言の内容からかなり年配の方なのかと思っていましたが、私と同年代ということだったのでとても驚いています。しかし、振り返ると私たちの年代でも育った時代は女性蔑視と言わざるを得ない教育がされていました。

 

私が子供の頃は専業主婦の母親が多かったように思います。働いていた方も子供がある程度大きくなってからのパートタイムが多く、父親と同じようにずっと正社員として働く母親は少なかったと記憶しています。働き方改革もされていない時代ですから、休みもなく夜遅くまで残業をしている父親。同じく母親たちも現在よりも家事や育児も不便なことが多くて全てにおいて現在より時間がかかっていたはずですが、父親敬う風潮があったのは昔ながらの習慣と教育、それから母親たちの夫に対する思いやりだったのかもしれません。どちらにせよ、家事と外での仕事ではどちらが大変かということを比較するのはとても難しいはずですが、サザエさん一家のように父親を一番に敬うというのはどこの家庭でも当たり前でした。また父親だけではなく、私の友人の家では夕食時、長女と次女(友人)がお皿を下げて洗い物の手伝いをし、長男はその手伝いは免除されていました。

社会人になった1990年代も、仕事以外の差別は日常茶飯事でした。20代の頃に面接で結婚の予定を聞かれたこともありますし、社内のお茶当番のみならず飲み会でお酌をして食事を取り分けるのは若い女性の仕事でした。(私が20代後半のときに新入社員の男性が自分もお茶当番に入りますと申し出てくれたときはとても驚きました)当時は当たり前だったので差別とは捉えていませんでしたが、よく知らない女性社員にお酌をしてもらって逆に気を使わないのだろうかと疑問でした。最近はお酌をしてもらうような場面もありますが、私ははっきり言って苦手です。瓶ビールが飲みたくてもお酌されるのが嫌で生ビールを頼んでしまいますし、話の内容よりも相手の飲み物に気を取られるのはとても不毛なことに感じてしまいます。

女性に求められる仕事の中には無意味なことも多くありましたが、社内の力仕事は今でも男性の仕事ですし、仕事中の移動の運転は男性に偏りがちです。男性が女性に年齢や結婚の有無を質問することはNGですが、女性から男性への質問ならば寛容な風潮もあります。年寄りと若者、男と女が同じ価値観で有るわけがありませんし、得意なことも異なります。お互いの立場を理解しようとする努力があれば、理解できないことでも傷つけあうことは少なくなるのではないでしょうか。深く学ばなくとも心遣いで回避できることは多いと思います。

 

今回の吉野家の常務の発言は、ジェンダー平等やコンプライアンスを深く学ばなくとも回避できたような低レベルな発言だったと私は思っています。ジェンダー平等やコンプライアンス、ハラスメント等を学ぶことは大切ですし、私の立場では必須です。ましてや大企業の常務という立場ならば、人並み以上に意識を高く持ちしっかり学んでおくべきです。あまりにも独り善がりで無防備な発言だったと思います。若者からしたら「話のつまらないおじさん」の典型なのではないでしょうか。

自分とは違う世代や性別の常識を受け入れ、相手の気持ちを考える。これだけでもかなりの平等性を保てる気がします。自分より若い世代の常識というのは常にアップデートしていかないとついていけません。若い世代の常識がこれからの常識だというくらいの謙虚な気持ちで聞かないとまったく理解できないことも多くあります。会社の代表としても人間としても柔軟に(でも必死に)アップデートしていきたいと思います。