光陽精工株式会社 社長のブログ

光陽精工株式会社 女社長のブログ

プラスチック射出成型の会社です 毎月1日に更新しています

製造業の未来

先日、同業の社長が講師をしている関係で東京都の職業能力開発センターの見学に行かせていただきました。

私が見学したのは「プラスチック成形・デザイン科」という科でした。うだるような暑さの日でしたが、熱い射出成形機の周りを動き回っていてとても頼もしく感じました。製造業の人手不足は深刻で、入社してもすぐ辞めてしまうということも多々あります。情報過多の時代で色々と可能性は広がりましたが現実とのギャップに戸惑うことも多いようです。しかし生徒のみなさんは工場の仕事内容のみならず暑さまでも経験されているので、戸惑うことも少ないかもしれません。

射出成形を学びたいと入学した方々がいるという事実が、とても心強く感じました。この意欲を無駄にしないためにもできるだけ労働環境を整え、賃金を上げないといけません。これができないと日本の製造業の未来は厳しいものになると思っています。製造業の未来を考えるときに、人材なくして未来はありません。大げさかもしれませんが製造業の未来は日本の未来でもあると思っています。今まで日本を支えてきた製造業を私たちの時代で衰退させてはもったいないと思いませんか。

ものづくりが好きな人は必ず一定数いるはずです。そんな人たちが働きたいと思える環境づくりが何よりも大事だと思います。多様性を大切にした新しい分野の活躍は大歓迎ですが、元々日本が得意としていた製造業を古いものと捉えられないように、出来る範囲ですが若い人にも受け入れられるような新しい環境づくりを進めていきたいと思っています。

刺激的だった6月

6月は総会や商談会があり他社の方とお話しする機会が多い月でした。また、ビックサイトで行われた機械要素技術展にもゲスト側で顔を出し、たくさんの出展者の方とお会いしてきました。

中小企業、製造業、で今苦しんでいるけれど頑張っている仲間がいると思うと本当に心強く感じました。総会に出席する、商談会に参加する、機械要素技術展に出展する…とすべて行動を起こしている方々とのお話しなのでとても刺激になりました。私ももっと頑張らなくてはと思いました。

頑張るという言葉はとても抽象的です。そして結果を出すことを強いられると途中経過の頑張りはまったく意味がなくなります。むしろ頑張らずに結果を残す人の方がカリスマ性があって格好いいかもしれません。私の立場だと特に結果が大事で途中経過はほとんど評価されません。寂しいですが、尚更同業種で頑張っている方々とお話しができるととても励みになります。

普段はお会いできない方々と6月はたくさん会うことができ、皆それぞれ頑張っている姿を目の当たりにして、こちらが勝手に皆様のパワーをいただいてきた刺激的な一か月でした。

結果がすべてのようなことを書きましたが、やっぱり頑張っている姿って格好いいと思いますし、頑張るって楽しい事なのだと思います。

創立40周年

5月30日に当社の従業員のみで光陽精工40周年の食事会を開催いたしました。

コロナの心配もあったので、お客様は呼ばずに本社、入間工場合同でアットホームに行われました。

 

中小企業で40年続く会社というのは優秀だと言われています。従業員には心から感謝しています。それから光陽精工にかかわってくださったすべての方々に感謝いたします。

40年前に叔父が創業したときに私は小学生でしたが、中学生、高校生の頃の日本はバブル期でした。会社を立ち上げ10年くらいは本当に忙しそうでした。私が中学生になり父が初めて制服姿を見たときは夏服だったというくらい朝から夜中まで働いていて、今では考えられないような働き方をしていました。そもそも働き方が今とは違うので当時の生産量に追いつくというのは不可能ですが、変わりにIOTやシステム導入で当時に負けない生産量を維持しなければなりません。

叔父や父の時代も変わり続けて今があるのだとは思いますが、コロナ禍を経て今こそ改革が必要な時期なのだと感じます。元総理大臣の小泉さんも言っていましたが「痛みなくして改革なし」ということを肝に銘じて覚悟を持って改革をしていきたいと従業員に伝えました。

叔父だったら、父だったらどうしていたか…と考えたりしますが、根本的に変わってしまった働き方や会社の在り方では比較することができません。ただ社長としては同じような悩みはあったのだと思います。社長というのは評価されにくく、報われないことも多々あります。思うようにいかないときは従業員に我慢してもらうこともありますが、社長が唯一救われるのは従業員によってでしかないと思っています。まさに「企業は人なり」です。家庭を顧みず仕事に没頭していた叔父や父も会社や従業員に対しての思いは同じだったのではないかと思います。

 

今回はこれからさらなる発展へと向かう一歩として感謝の意を込めて従業員のみで食事会を開催いたしました。

改めて先人たちの努力に感謝し、今日までご協力とご厚情をいただいたすべての皆様に感謝申し上げます。

ChatGPTについて考えてみた

今回は話題のChatGPTについてですが、私の知識はほぼゼロです。テレビや新聞で見たことがあるくらいの浅い知識ですので間違っていることもあるかもしれませんがご了承ください。

 

ChatGPTとはユーザーが入力した質問に対して、自然な対話形式でAIが答えてくれるサービスだそうです。私は使用したことがありませんが、テレビでは早速様々な質問をして回答が紹介されていました。昔、プログラミングを少しだけ勉強したことがありましたが、まさに不可能と言われていた会話のようなAIの回答に驚きました。私程度の知識ではプログラムの勉強をすればするほど不可能だと思い込んでいました。

ChatGPTの使用方法について賛否両論ありますが、私は自分の想像を超えた画期的なシステムとして素晴らしいと思っています。子供の宿題でChatGPTを使うのはアリかナシかというコラムがありましたが、確か高校生時代の夏休みの課題のひとつに「ラストエンペラー(映画)のレポート」というのがありました。早速ビデオを借りて観ましたが内容を理解できず、ラストエンペラーを観たことのない父に歴史と登場人物の説明をしてもらい、再度ビデオを見直してレポートを書いた記憶があります。当時は高校生で父親と話すことなどほとんどなかったはずですが切羽詰まった私は父に助けを求めたのだと思います。反抗期の娘と父親の会話のきっかけはどうでもいいのですが、自分で調べることが大事だということならば私たちもわからないことは親や先生など誰かに聞いていた訳ですし、ラストエンペラーに関しては映画以外の細かいことまで説明されたような気がします。そこまで説明しないと私が理解できないと父が判断してわかりやすく掘り下げて説明したのだと思うので、私にとってはネットよりも役に立った!訳です。

しかし、問題はその先にあるようです。ChatGPTは人類を滅ぼすなど壮大なテーマのコラムもありました。ブログのテーマにしたのに無責任ですが、その先のことは私には想像できません。今はただ凄い機能だと感心するばかりで、物事には必ずメリットとデメリットがありますし、個人的には新しいことにできるだけ対応したいと思っています。有効活用できるか遊びで終わるか、それとも悪用するかもユーザー次第です。

 

あまり理解していないだけに、脈絡のない話になってしまいましたが、私はこのような世界が驚く画期的なモノが出てくることはワクワクします。これから問題も出てくるかもしれませんが期待の方が大きく、いずれは製造業にも希望をもたらせてくれたらありがたいです。

2023年度の始まり

一年前のブログにも書きましたが、当社の決算は2月なので事業年度は3月からとなります。ただ新年度という意味で身が引き締まるのは毎年4月1日です。

4月にまだ小さい新一年生や初々しい新社会人を見かけるとこちらもフレッシュな気持ちになります。

今年の4月でコロナ禍になりちょうど3年経ちます。3年前の2月頃からニュースにはなっていましたが、自分たちに本格的に降りかかってきたのは4月で売上的には5月から影響を受けました。正直ここまで長引くとは微塵も考えていませんでした。ようやくコロナは2類相当から5類に移行となりますが、私の意識ではマスクくらいしか変更する予定がありません。お祭りなどのイベントやコンサートも既に行われていますし、外食も私はコロナ前と変わらない頻度で行っています。今後も室内であれば換気など最低限の予防はコロナだけではなくインフルエンザや風邪の予防にも良いことなので続くと思いますし、リモート会議や在宅勤務も感染予防だけでなく合理性から考えてなくなることはないと思います。

本当にコロナは私たちの生活を一変させました。生活や仕事だけでなく、考え方も大きく変わったと思います。高齢の母や親戚はスマートフォンを持っているだけでなく活用するようになりました。時間の有効活用やまわりとのつながりを大事にしたいのだと思います。若い方は在宅勤務や飲み会の廃止で、より家族やプライベートを大切に考えているように感じます。そう考えると窮屈だったコロナ禍によって、私たちは海外から後れをとっていた「仕事よりプライベート優先」「人生を楽しむ」という心のゆとりを学び、手に入れた気がします。

製造業の景気動向は未だに足踏み状態ですが、他の業界以上に転換期なのだと思います。一番合理性を求めなければならない業界なのに中々進まなかったIOT化の重要性はコロナ禍で思い知らされました。

今期だけでなく、会社としては常に合理性を求め続け、従業員のプライベートを大切に考えられるような気持ちに余裕のある経営を目指したいです。

年収の壁

働き方にも多様性が求められる社会ですが、税や社会保険料の負担が増えないように時間を抑えて働く「130万円の壁」が国会でも話題になっています。当社でも主婦の方や他社を定年退職された高齢者の方がパートタイマーとして働いてくださっているので、多いに関心のある議題です。

当社のパートの方の就業時間は基本的に平日の9時~15時です。これは子育て世代の女性には都合の良い働き方らしく、パートの募集をかけると割とたくさんの応募があります。平日5時間勤務だと当社の年間休日はだいたい126日程度なので130万円の壁もクリアできていたので社会保険料の面でも好都合だったわけです。しかし賃金の上昇により労働時間を意図的に減らさないと繁忙期に残業をすれば130万円を超えてしまう可能性も出てきていますし、さらに賃金が上昇すれば確実に130万円を超えることになります。

定型と思われる非正規雇用の方々でも様々な問題が起きてしまっているのに、働き方の多様化に伴い新しい働き方をしている方々はまた違った悩みがあるのだと思います。細分化された働き方を全て網羅した公平な仕組みは不可能ですが、当社のパート従業員の意見(悩み)を述べさせていただきますと、「働きたいのに働けない」という事態が起きつつあります。それから、会社としては人材不足が深刻化することは目に見えています。

確かにこれらの制度によって救われる人もいるはずですし、国が時代にあった新しい制度を作り変化していくことは当然だと思います。ただ、すべての人が公平にはなれないですし、これによって会社の負担が大きくなり会社が耐えられなくなったら本末転倒だと思います。人材不足と社会保障のバランスは常に注意しておかないと、どちらが躓いても大変なことになります。この制度によって救われる人と不満を持っている人、そして人材不足を懸念する企業、税金や年金を払って欲しい国、それぞれが納得できずとも耐えられる制度にしていただかなければ、制度によって1つでも倒れてしまったら取り返しのつかないことになります。これからも毎年最低賃金を上げるのであれば、早急にバランスを整えるべきだと思います。

スピーチが上手な人から学ぶ

今年の1月はコロナ禍以降初めての賀詞交歓会がありました。セミナーなども徐々に復活して、1月は壇上での挨拶や講演を聞く機会が何度かありました。私自身はスピーチがとても苦手なのですが、今後の参考にするために感じたことをまとめたいと思います。

 

まず、とても上手だと思った方が2人いました。話しがまとまっていて、内容がスムーズに入ってきました。あまり余計なことを話さなかった気がします。たまに政治家などでサービス精神からなのか余計なことを延々と話す人がいますが、本当に無駄だったのだと改めて気づきました。良いことを言おうとして無理なたとえ話や、笑わせようとして自身や他人を卑下するような内容は、今の時代には合っていなくて無駄だったのだと反省しました。私も格好つけて色々考えることはあるので、それらが無駄だと気付いて反省と同時にとても恥ずかしくなりました。年代によっては時代錯誤なことを悪気なく言ってしまうことがあると思いますが、気を付けなければならない年代に差し掛かっていることも常に意識したいです。

人前での話しが上手な人は努力や慣れもあると思うのですが、元々上手な人が多いです。私の個人的な意見ですが、スピーチが上手な人は信頼できる人が多いです。きっと信頼関係の構築も上手く、仕事も円滑に進めることができる人なのだと思ってしまいます。

苦手な私がコツを考えるのは少々難しいのですが、やはりすべての基本である「相手の立場になって考える」ことが大切なのだと思います。聞いている人の立場になれば回りくどい言い方がわかりづらいことは明白ですし、仮に自身のことであったとしてもあまりにも卑下するような話は聞いていて気持ちの良いものではありません。自分の思いだけを聞いている人たちに押し付けるのも相手の立場になっていません。つまり話し上手な人は、相手の立場になって考えることができる人だから信頼できる人なのだということです。人の心を掴むことに長けているのですね。

話し上手で信頼もされる人というのはビジネスマンとして最高です。前出のお二人も成功すべくして成功した方々なのかもしれません。

基本は「聞き手の立場になって考える」ですが、具体的に今後意識したいことは「明確なビジョンを持ち、簡潔にわかりやすく」「常にアップデートし、時代錯誤や独りよがりにならない」といったところでしょうか。人前に出るのがあまり得意ではないので「下を向かず前を向く」や「大きな声」など超基本的なことも課題ですが、今後はもっと聞き手を意識して、当たり障りのないスピーチから脱却したいものです。

2023年 新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。

 

2023年、光陽精工は創立40周年を迎えます。

当社に関わっていただいたすべての皆様の多大なるご支援ご協力のおかげで40周年を迎えることができ、心より感謝申し上げます。

バブル期突入前の昭和、長期停滞期の平成、コロナ禍の令和と目まぐるしく変化する時代とともに光陽精工は歩んできました。

これからも常に新しい価値を創造し、社会に貢献できる会社を目指して従業員一同、全力で取り組んでまいりたいと存じます

 

2023年も、より一層のご支援、お引立てを賜りますようお願い申し上げます。

 

光陽精工株式会社 代表取締役 新井啓子